ターニャは独り、
彼等との死闘を決意
していた。
傍らのケースに納められた
散弾銃に手をかける‥
『何してるんだ‥?』
背後からの突然の声に
ギクリとして振り向くと、
そこにピートが
佇んでいた。
『腹が減ったなぁ‥
食事は済んだのか?』
ピートはターニャが
最終手段に出ようと
している事に薄々
感づいていた。
『それ‥、何処へ
持って行くつもりだ?
独りで決着をつける気か?
そんなもの一丁で
サラ達に近付くのは
まだ危険だ。』
『違うのよ。
そうじゃないわ‥。
今日、また別な
ヴァンパイアが
現れたの。
いつの間にか私に
兄が出来てたらしいわ‥。
ピート、報酬は払うわ!
貴方はもうこれ以上
関わるべきじゃない!
契約解除よ‥。
明日の便で帰って
ちょうだい。』
『何があった?
ターニャ‥こんな状態で
君を残して帰れる訳
ないだろう‥
話してくれないか?
こんな中途半端な状態で
このまま帰るくらいなら
事務所を畳んで廃業した
方がまだマシだ!』



