ターニャとは結局、
明け方までオフィスで
語り合った。
百年余りの彼女の歴史を
聞くにはそれくらいの
時間は必要だった。
彼女にしてみれば
これしきはコンマ数秒の
長さなのだろうが‥
彼女と打ち解けるのに
さほど時間はかからなかった。
途中、私はターニャの
“体質”を忘れて、うっかり
デスクの引き出しに
忍ばせていたワインを
勧めてしまったのだが
『突然変異でもアルコールは
飲めないわ‥。
例えボルドーでもね…。』
クスクスと笑いながら
ヴァンパイアらしいジョーク
を聞かせてくれた。
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