今あたしの頭を支配しているのは社長。
あたしが他の男とデートしてたって、何とも思わないんだ。
なぜだか分からないけれど、あたしはそのことに少なからずショックを受けていた。
「全部、アイツのせいよ」
思わず心の声が出てしまった。
「え?アイツ?」
「う、ううん!ごめんね。ちょっと考え事してた」
マズイマズイ……。
「何か悩みがあるなら聞くよ?」
男の優しさは下心の表れ。
遠山さんに関しては特にそう。
「大丈夫。心配してくれてありがとう」
あたしは遠山さんにニッコリ微笑み返した。
理由なんて言えるわけない。
だってあたしたち、秘密の結婚なんだから。

