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「気がついたか?」

「……え?」

「お前、急に意識なくしたんだよ」

「今、何時?」

「もう夜の9時。それにしても随分頑張ったな?オレたち」


本当に……。

初っ端からこんなに頑張らなくても……って呆れるくらい、あたしたちは頑張った。


だけど何も覚えてないフリをする。


「……知らない」

「失神するほど気持ちよかったってことだろ?」

「バ、バカーーッ!!」


恥ずかしくて社長の胸に顔をうずめた。


「やっぱ最高だわ、お前の身体」

「もうホントにやめてッ!!」


絶対あたしで遊んでる、この人。


「照れんなよ。オレ、女を抱いてこんなに満たされたの初めてだ。愛ってすげー!!」


優しい声と優しい手つきであたしの頭をゆっくり撫でる社長。


「あたしも幸せ」


もうこのまま時間が止まってくれればいいのに。


しばらく2人で幸せの余韻に浸っていたい。


だけどそんな幸せな時間は、社長の次の言葉で一瞬にして壊された。