だからあたしは、社長の側を離れようと決めた。
もしもあたしが側にいて大河くんが実の子供だと分かった時、彼は判断を誤るかもしれない。
今はあたしを心から愛してくれているから……。
でもそれじゃあダメなんだ。
あたしたちが結婚した時、彼はあたしに言った。
『どんなことをしても有栖川が欲しい』と。
じゃあ、今の彼なら?
自惚れかもしれないけれど、絶対にあたしが傷つくような選択はしないと思う。
あたしが泣いていただけで、アメリカから飛んで帰ってくるような人だから。
だから今度はあたしが、社長のために……。

