旦那様は社長


あたしは突然突きつけられた現実に戸惑う。


だけど彼女は、

「話はそれだけよ。ごめんなさいね?突然変な話しちゃって」

そう言い残すと、伝票を持ってさっさとレジに行ってしまった。


1人テーブルに残されたあたしは、周りの雑音に呑まれながら、今告げられた真実を頭の中で整理しきれないでいた。



思い出すのは、社長とドライブをしたあの日のこと。


跡継ぎが必要なのか、というあたしの問いかけに、『お前が心配する必要はない』と言った社長。


その意味は、彼女が言ったことと同じなのだろうか。


『もう有栖川の血を引く自分の子供がいる』


……そういうこと?