声が震える。
「こ…ども……?」
だけど彼女は得意げな顔をして、あたしに辛い現実を突きつける。
「大河って名前の5歳の男の子がね」
「あ……」
あの日、悠河が自然に手を繋いだ男の子だ。
「悠河はあなたに隠し通すつもりなのかしらね?」
「……」
隠すと言うより、社長は本当に何か抱えてるようだった。
「いずれ……」
「え?」
「いずれあなたも悠河の子供を生むんでしょうから、……これだけはハッキリさせておきたくて」
さっきまでの穏やかな表情はどこへ行ってしまったのか。
今あたしの目の前にいるのは、鋭い目であたしを睨みつける彼女。
まるであたしが悪いんだとばかりに責められているような気持ちになる。
怖くて怖くて、心の中で社長の名前を何度も呼んだ。
「大河は悠河の子供よ。分かる?この意味が。大河はね、立派な有栖川の後継者なの」
「後継者?」
「そうよ。それに大河は男の子ですからね。有栖川にとって必要な子なのよ」

