旦那様は社長


「……んッ……」


時折漏れる2人の吐息が静かな部屋の中に響いて。

周りの温度を一気に上げていく。


「光姫……光姫……」


何度もあたしの名前を苦しそうに呼びながら、一向に止まる気配のない激しいキス。


「しゃ…ちょ…ッ……スキ……」


「光姫……」


やっと止まった時には、すっかり2人の息が上がっていて、肩で息をするほどだった。


「光姫、愛してる」


再びギュッとあたしを抱きしめる社長。


トクントクンと耳から伝わる社長の鼓動。


それがとても心地よくて、あたしもそのまま社長の背中に腕を回した。


もうこのままでいいのかもしれない。


何も知らないまま、目の前の社長の「愛してる」の言葉だけを信じていれば。


だけど消せない記憶。


もしかしたら、あたしは自分で自分の幸せを壊してしまうかもしれない。


「社長。……あたしに何か隠してること、あるでしょ?」