「そういうお前は何やってたんだよ」


ダメ。まだ泣いちゃダメ。


「銀座でお買い物してた」


あとちょっと我慢……。


「何か買ったのか?」

「ううん。何も気に入ったもの、見つからなくて」


もう部屋に戻りたい。


その時、何かを思い出したように社長が「あ!!」と声をあげた。


「え?」

「お前に土産があるんだ」


社長が胸ポケットをゴソゴソと探り始める。


「あ、あったあった。ほら」