「あの、会長?」 さっきからずっとあたしを抱きしめたままの会長。 「会長……」 今度こそ、セクハラですか? せっかく数分前、会長の“計算のない”優しさに感動したというのに。 やっぱりそれも計算だったのですか? いくつになっても男は信用ならない。 お年寄りだからと油断したあたしが馬鹿だった。 盛りはなくても、会長だってただの“男”なのだから。 もう男なんて誰も信じないと固く心に決めていたのに。 いとも簡単に流されてしまうところだった。