旦那様は社長


「知りたい?」


またあの笑顔になる社長。


「……寝ます」


なぜか知りたくなくて、あたしはそのまま布団を被った。


「なんだ、張り合いねぇな」


不満げに、更にあたしの頭が隠れるまで布団を被せた社長は、

「ゆっくり寝てろ。後でお粥持ってきてやるから」


最後にあたしの頭を優しく撫でて、部屋から出て行った。


頭を撫でられて、何だか懐かしい気持ちを思い出した。


まだ小さかった頃、よく熱を出していたあたしの頭を、両親が優しく優しく撫でてくれて。


「大丈夫だよ」

って言ってくれた。


そんな優しい両親はもういないけれど。


「今の社長、同じ手だった」


懐かしい温かな気持ちに包まれて、そのまま眠りにおちた。