旦那様は社長


社長があたしの目にキスをして、今度は零れ落ちる涙を唇で拾おうとした。


「……ん……」


優しく優しく、全てをすくい上げてくれる。


「しゃ……ちょ……」


目頭だけじゃなく、身体の芯から熱がこみ上げてくる。


「……光姫……」


そう名前を呼ばれただけで、こんなに心がときめいたのも初めてだ。


「おい、これ以上もう泣くなって」


「これは……ッ、社長のせい……だよ」


「オレの?」


そんなに愛おしそうにあたしの名前を呼ぶから。


勘違いしてしまいそうになるくらい、とても大切に発せられた『光姫』だったから。