旦那様は社長


あたしの苦い記憶。



あたしには昔、婚約者がいた。


お互い愛し合っていて、自然の流れで結婚が決まった。


彼との未来に、何の曇りもなかったとあたしは今でも思ってる。


でも……。


結婚式を目前に控えたある日、彼が突然あたしの前から姿を消した。


『捨てられた』


誰もがそう思った。


あたし自身でさえも……。


あの頃の絶望感は、きっと一生忘れない。