旦那様は社長


「会長!申し訳ございません!!お怪我はありませんか!?」


あたしはただひたすら低頭し、会長の体をゆっくりと起こした。


前代未聞のハプニングに、内心冷や冷やしながら。


そんなあたしをよそに、会長が有り得ない行動に出る。



――ギュッ


身体に感じる温もり。


だけど視界に、驚いた顔をした社長と会長秘書が映っているから、あたしを抱きしめているのは……


「えッ、か、会長!?」


背中をいやらしい手つきで撫で回す会長。


「会長……」


公衆の面前で……


セクハラですか……?