「じゃあ、オレたちはこれで失礼するよ」 「あっ、はい。お疲れ様でした」 遠山さんが社長に頭を下げる。 結局あたしは、最後まで何も言えなかった。 ただ社長が彼女の肩を抱いて去って行く後ろ姿を見つめていただけ。 残ったのはモヤモヤと晴れない気持ち。 彼女は誰? 「自分だって本命……いるんじゃない」 「え?光姫ちゃん何か言った?」 「ううん、何も」 「そ?じゃあもう帰る?」 帰る? イヤだ……帰りたくない……。