旦那様は社長


ゆっくり振り返ると、あたしの視界の先には、ここにいるハズのない人がいた。


「社長……」


遠山さんといるところを見られてしまったことで動揺してしまい、あたしの身体は硬直した。


社長はいつものポーカーフェイス。

顔色一つ変わらない。


だけどあたしは、それよりも社長が誰とここへ来たのかが気になった。


今日は接待なんてスケジュールになかった。


ということは、プライベート?

いったい“誰と?”


「悠河、お待たせ」


親しげに社長を名前で呼ぶ女性が、社長の肩をポンと叩いた。


そしてその女性は、自然と社長の腕に手を回す。


「……え」


社長も嫌がる素振りを見せない。


2人は、そういう……関係なの……?