すれ違う廊下で。 校庭で。 靴箱で。 わたしと会うたび小林くんはわたしのことを『泣き虫』と呼んだ。 そんな小林くんを、わたしは好きになった。 でも、小林くんに彼女がいることをわたしは知っていた。 すごく綺麗な彼女とすごく仲良しだった。 見ているだけ。 彼女と一緒にいる幸せそうな小林くんを見ていると、幸せな気持ちになった。 大切な彼女がいるのにわたしの涙を気にしてくれる、そんな優しさがすごく好きだった。 ・