海のほうを向いてギリギリに止まっていた車が、急にバックした。 ガクンと前に倒れて、わたしは驚いてオトコノコを見る。 オトコノコは叩きつけるようにシフトチェンジをして、乱暴にUターンした。 今度はシートに背中をぶつけながら、 「どこ……行くの?」 恐る恐るオトコノコに聞いた。 「送る。最後に1度くらいはオレの言うこと聞けよ」 そう言ってそのまま今来た道を走り出す。 ・