わたしは言った。 「今ひと思いにやっちゃわないと、もうこんなチャンスはないよ?」 すごく怖かった。 安心したせいか涙がボロボロと溢れ出してしゃくり上げながら言った。 「もうしないよ」 だから泣くな、とオトコは言う。 「わかんないよ、また殺されそうになるかも。怖いからもう二度と会わないし」 「……」 「帰る」 「送ってく」 「もう彼氏でもないのに、送ってくれなくていいから」 ・