「スゴイスゴイ!」 わたしは手を叩いて叫ぶ。 そんな上手に滑るオトコノコの姿を見て、わたしも自分が滑れるような気持ちになる。 降りてくるオトコノコに背を向けて、勝手にひとり滑り出した。 例のスーパーボーゲンで。 滑り降りて来たオトコノコがわたしを追い越して止まる時、勢いよくエッジをかけた。 シャッという爽快な音と共に、わたしの顔に飛んで来る大量の雪。 わざとだ……!! アップアップと雪に溺れそうになってまたヨロヨロ転んだわたしを、ゴーグルを上げながら優しい目で見たオトコノコ。 ・