「わたしここで練習しているから、滑って来ていいよ?」 初級者コースでわたしに付きっきりのオトコノコにわたしは言った。 スキーが得意のそのオトコノコにもスキーを楽しんで欲しかったから。 「じゃあ、上から滑ってくるからお前ここで見てろ。オレが『どんな風に滑っているか』ちゃんと見てるんだぞ?」 「うん」 雪山のふもとから、上を見上げる。 壮大な山の姿に息を飲んだ。 そして、上から颯爽と滑ってくるオトコノコ。 「わあ……カッコイイ……」 思わず、呟いた。 ・