そして5分後。

馴染みの居酒屋のテーブル席で、オレはちょっと困惑気味。


「えーと。こちら、右から……かほちゃん、みどりちゃん、チカちゃんでーす。
丸友商事のOLさん」


「えー。チカじゃないよー。リカだよ」


「あーごめんねー。そうそう。リカちゃんだよねー」


すげぇチャラい口調で。

オレの隣に座っている男が、目の前にいる女の子3人を順番に紹介した。


「で、こいつは、イッペー。ね、話してたとおり、イケメンっしょ?」

今度はオレが紹介された。


「イケメンとかやめてくれ。勝手にハードル上げんなや」


オレのつっこみに、女の子3人が「きゃぁ」と歓声を上げる。


「関西弁だー」


弾んだ声でそう言うリカちゃんて子と目が合う。


「関西弁めずらしい?」


オレの問いかけに、彼女は「うん、好きぃ」と、目を細めて微笑んでくる。


「へぇーそうなん」


オレはちょいテンション低めで、愛想笑いを浮かべた。

テーブルの下で、すぐ横の脚に思いっきり蹴りを入れる。


「いっ……」


マサこと、鮎川将(アユカワ・マサル)が苦痛のためか、顔を歪ませた。