桜、ふわふわ 2nd season

「まぁ、たしかに。昼間と夜とでは印象が全然違うよな、桜は」

《うん。花びらがね。昼間は白っぽいピンクなのに、夜は闇と混ざって紫っぽく見えない?》

「闇と混ざるかぁ……。それはそれで、なんかそそられるな」

《……小寺君は、どっちの桜が好き?》

「さぁ、どっちやろうな」


それからしばらくの間沈黙が続いた。

桜の花びらがひとつ、またひとつと部屋の床に落ちていくのを、オレはぼんやりと眺めていた。

なんだか現実感がわかないというか。

夢の中を彷徨っているような不思議な気がしてくる。


《小寺君》

「なんや?」

《なんかすぐ側で話してるみたいだね》


うふふ。って電話の向こうで笑う。

たしかに耳元で囁かれているみたいに、彼女の息遣いまで感じられる。


《……夜中の電話ってダメね。なんか、ヘンな気分になる》


オレは黙ったまま、ただタバコの煙を吐きだした。


「そろそろ……眠れそうか?」

《うん。……ねぇ、ひとつお願いしていい?》