「まぁ、たしかに。昼間と夜とでは印象が全然違うよな、桜は」
《うん。花びらがね。昼間は白っぽいピンクなのに、夜は闇と混ざって紫っぽく見えない?》
「闇と混ざるかぁ……。それはそれで、なんかそそられるな」
《……小寺君は、どっちの桜が好き?》
「さぁ、どっちやろうな」
それからしばらくの間沈黙が続いた。
桜の花びらがひとつ、またひとつと部屋の床に落ちていくのを、オレはぼんやりと眺めていた。
なんだか現実感がわかないというか。
夢の中を彷徨っているような不思議な気がしてくる。
《小寺君》
「なんや?」
《なんかすぐ側で話してるみたいだね》
うふふ。って電話の向こうで笑う。
たしかに耳元で囁かれているみたいに、彼女の息遣いまで感じられる。
《……夜中の電話ってダメね。なんか、ヘンな気分になる》
オレは黙ったまま、ただタバコの煙を吐きだした。
「そろそろ……眠れそうか?」
《うん。……ねぇ、ひとつお願いしていい?》
《うん。花びらがね。昼間は白っぽいピンクなのに、夜は闇と混ざって紫っぽく見えない?》
「闇と混ざるかぁ……。それはそれで、なんかそそられるな」
《……小寺君は、どっちの桜が好き?》
「さぁ、どっちやろうな」
それからしばらくの間沈黙が続いた。
桜の花びらがひとつ、またひとつと部屋の床に落ちていくのを、オレはぼんやりと眺めていた。
なんだか現実感がわかないというか。
夢の中を彷徨っているような不思議な気がしてくる。
《小寺君》
「なんや?」
《なんかすぐ側で話してるみたいだね》
うふふ。って電話の向こうで笑う。
たしかに耳元で囁かれているみたいに、彼女の息遣いまで感じられる。
《……夜中の電話ってダメね。なんか、ヘンな気分になる》
オレは黙ったまま、ただタバコの煙を吐きだした。
「そろそろ……眠れそうか?」
《うん。……ねぇ、ひとつお願いしていい?》


