桜の花びらだ。
窓の向こうはベランダになっていて、そのすぐ側に大きな桜の木が植えてあるんだ。
この時期、2階のこの部屋は、窓一面がピンク色に見える。
就職と同時にオレはこのアパートで一人暮らしを始めた。
築30年は経っていて、設備なんか全然整ってないし、お世辞にも綺麗とは言えない。
不動産屋は、他にももっと良い物件があると言っていたけれど。
オレはこの景色に魅了され、最初に案内してもらったここに決めた。
「桜吹雪……すげぇ」
ポツンと呟く。
《桜?》
「うん」
カラカラ……と電話の向こうから音がする。
どうやら彼女も窓を開けたらしい。
《うちの庭にもあるよ、桜》
「きれい?」
《うん。でも、ちょっと怖いかな。だって、桜の木の下には……》
「死体が埋まってそうか?」
わざと低い声で言ってやる。
《もーやめて! 今、鳥肌立ったよー》
「あはは」
本気で怖がっている彼女がおかしくて、オレは声をあげて笑った。
窓の向こうはベランダになっていて、そのすぐ側に大きな桜の木が植えてあるんだ。
この時期、2階のこの部屋は、窓一面がピンク色に見える。
就職と同時にオレはこのアパートで一人暮らしを始めた。
築30年は経っていて、設備なんか全然整ってないし、お世辞にも綺麗とは言えない。
不動産屋は、他にももっと良い物件があると言っていたけれど。
オレはこの景色に魅了され、最初に案内してもらったここに決めた。
「桜吹雪……すげぇ」
ポツンと呟く。
《桜?》
「うん」
カラカラ……と電話の向こうから音がする。
どうやら彼女も窓を開けたらしい。
《うちの庭にもあるよ、桜》
「きれい?」
《うん。でも、ちょっと怖いかな。だって、桜の木の下には……》
「死体が埋まってそうか?」
わざと低い声で言ってやる。
《もーやめて! 今、鳥肌立ったよー》
「あはは」
本気で怖がっている彼女がおかしくて、オレは声をあげて笑った。


