桜、ふわふわ 2nd season


「……なにその言い訳。ふるなら、もっと上手にふってよ」


リカちゃんは口を尖らせてスネてしまった。


「あはは。ほんまやな。オレ言い訳下手くそやな」


やがてタクシーが止まり、オレは榊町付近までいけそうなぐらいの金を運転手に払う。


「送ってあげれんくて、ごめんな」


リカちゃんはまだご機嫌斜めだ。


「そんな優しいこと言うからダメなのよ。色々期待しちゃうじゃん」

ってブツブツ言ってる。

そしてタクシーから降りようとするオレのジャケットをまた掴む。


「メアドも教えてくれないの?」

「リカちゃん。オレなんかやめといた方がええで」

「どうして?」

「オレ、あんまいいヤツちゃうで。結構な腹黒やから」

「腹黒?」

「そう。胸ん中に、薄汚れたもん色々抱えてるから」

「イッペー君てずるい。そんなこと言われたら、余計に興味わくじゃん」


リカちゃんは納得のいかない顔をして、またブツブツ言っていた。


「ほな、またね」


去っていくタクシーを見送りながら、伸びをする。


明日から新学期が始まる。

さて……と帰るか。