オレの腕にべったりと体を寄せているリカちゃん。
向かう先は彼女の部屋だ。
これから起こりうることを、頭の中でシミュレートさせてみる。
ひと昔前に流行ったTVCMみたいに、選択肢の書かれたカードを手にしている気分。
どうする?
オレ、どうすんの?
さぁ、どのカードを切ろうか。
……なんてね。
考えても答えはひとつに決まってる。
「すみません。次の交差点で止めてもらえますか?」
運転手に声をかけた。
「え?」と、あからさまに落胆しているリカちゃんの腕をほどく。
「やっぱ帰るわ。明日仕事やし」
「そんな……。あたしんちから出勤したら?」
「いやいや。そういうわけにもいかんやろ」
「……どうしても……ダメ?」
オレのジャケットを引っ張って、ねだるように言うリカちゃん。
この子はいつもこんな風に男をおとしてるんだろうなって思う。
「うん。ほんまあかんねん。だって……」
オレはジャケットからも彼女の手を外しながら言う。
「レッサーパンダの愛子が泣くから」
向かう先は彼女の部屋だ。
これから起こりうることを、頭の中でシミュレートさせてみる。
ひと昔前に流行ったTVCMみたいに、選択肢の書かれたカードを手にしている気分。
どうする?
オレ、どうすんの?
さぁ、どのカードを切ろうか。
……なんてね。
考えても答えはひとつに決まってる。
「すみません。次の交差点で止めてもらえますか?」
運転手に声をかけた。
「え?」と、あからさまに落胆しているリカちゃんの腕をほどく。
「やっぱ帰るわ。明日仕事やし」
「そんな……。あたしんちから出勤したら?」
「いやいや。そういうわけにもいかんやろ」
「……どうしても……ダメ?」
オレのジャケットを引っ張って、ねだるように言うリカちゃん。
この子はいつもこんな風に男をおとしてるんだろうなって思う。
「うん。ほんまあかんねん。だって……」
オレはジャケットからも彼女の手を外しながら言う。
「レッサーパンダの愛子が泣くから」


