─暴走族のお姫さま─




素直と正直と
負けず嫌いだけが
取り柄のあたしは



「1人ですけど何かっ!?」


と強気に言って
あたしよりも
10センチくらい
高い男の人たちを
キィッと睨み上げた。



でも男の人たちは
ニヤニヤしながら



「それって
睨んでんの?
可愛いね〜」



はぁっ!?



睨んでるのに可愛い!?



バっカじゃないの!?



あたしはかなり童顔だから
睨んでも迫力が
全然ないことくらい
わかっていた。



けど



怖くて怖くて
こうやって
強がってないと
泣いちゃいそうだった。