─暴走族のお姫さま─




「奈菜!!」



俺は奈菜に向かって
駆け寄った。



「──…っ」



奈菜は泣きながら
俺に抱きついた。



「奈菜…」



俺も奈菜を
ギュッと抱き締めた。



奈菜は泣きながら
俺の服をギュッと掴んで
離れようとしなかった。



「奈菜…病室に戻ろ?」



俺がなだめるように言うと
奈菜は小さく頷い
歩き出した。



病室に行くまでの間、
奈菜は小さな手で
俺の手をギュッと握っていた。



それがまるで



離れないように。



そう伝わってきて
俺は強く握り返した。