「──…っ」



「高梁さん…
今はゆっくりしててください」



そう言うと
佐久間先生は病室を
出ていった。



「──…っ」



声にならない声と
涙が次々と溢れて
シーツを濡らしていく。



あのね…未來。



あたしには夢が
あったの。



いつか未來と結婚したら
可愛い子どもを産んで



未來が帰ってきたら



「おかえり」



って子どもと出迎えて



でも











それももう叶わない──…