ちょっとすると 奈菜が学校から 出てきた。 俺はもう 会いたいという 気持ちが強すぎて 無意識に腕を広げていた。 奈菜が走ってくる。 俺の前で 止まったと思ったら 「昨日はありがとう ござっ──… きゃあっ」 もう無理だった。 抱き締めていた。 俺の腕の中で 抵抗もせず ビックリしている奈菜。 「未來さん?」 もっと俺の名前を 呼んでほしい。 一年分を埋めたい。