街にでかけると
奈菜を探す。



見つからない。



未來には内緒で
たまに奈菜に
電話する。



前みたいな
明るい声では
話してくれないけど
ちょっとは笑ってくれる。



今日も電話する。



──プルルル プルルル…



耳元で鳴る呼び出し音。



【…もしもし】



「奈菜?」



【うん】



「今日何してた?」



【今日はね
家でゆっくりしてたよ。
叶は?】



「俺は1日中暴走」



【ふふっ元気だね。
ケガ…しないでね】



「…おう」



【……】



「なぁ…奈菜?」



【…ん?】



「もしも…
生まれ変わったら
何になりたい?」



【……】



「俺は未來になりたい。
奈菜にこんなにも
愛されている
未來になりてぇよ…っ」



届かない



想い──…



奈菜に愛されたいから



未來になりたい。