─暴走族のお姫さま─




「あのね…奈菜…
泣いたままでいいから
聞いてくれる?」



あたしは何も言わず
首だけを縦に振った。



「あたしのね…お腹の中に
小さな赤ちゃんがいるの」


え──…?



あたしはバッと
顔を上げた。



「う…そ?」



「本当にいるの」



「先生…先生は!?」



「ごめんだって。
無責任だよね。
ふふっ…でもいいの。
あたし学校辞めて
シングルマザーになる」



うそ…



てっちゃんが?



だって



あんなに
愛し合ってたじゃん。



酷いよ。