─暴走族のお姫さま─




柚希の声が
聞こえたのはわかった。



でも今のあたしには
柚希じゃなく未來が
必要だった。



「み…未來…っ」



柚希はあたしに
走りよって
傘で雨を避けると
一生懸命に背中を
擦ってくれた。



「奈菜…?大丈夫。
落ち着いて」



未來…



未來…



早く来て──…



「大丈夫、大丈夫」



柚希のおかげどあたしは
少しずつ冷静さを
取り戻していった。