「あっ、もしもし!?柚希!?」



あたしはあれから
家に帰ってきて
すぐに柚希に
電話報告していた。



"わかったから
奈菜、落ち着いて?"



「もうこれは運命だよ!!」


単純なあたしは
さっきの男の人が
運命だと決めつけていた。


だって
そうであってほしい。



なぜかあの男の人に
また会いたいと
思っている
あたしがいる。



"いったい何があったの?"


「あのね、あのねっ!!」



────………
───……



あたしはさっき
起こった出来事を
柚希に全て話した。



すると柚希は



"まじ!?すごい!!
あたしも運命だと思う"



と言ってくれた。



「でも名前知らない…」



そう。



いろいろあって
あたしは名前を聞くのを
すっかり忘れていた。



助けてもらったのに
名前も聞かないなんて
あたしは何をしてるんだろう…



"大丈夫だよ。
世間は狭いから
きっとまた会えるよ"



会いたい。



あたしも柚希の言葉を
信じることにした。