─暴走族のお姫さま─




家に帰ってから
あたしは直ぐに
夕飯を作り始めた。



──カチ…カチ…



時計の音だけ聞こえる中で
とちかくお兄ちゃんと
未來のことを考えないように
手を動かした。



──ガチャ…バタン…



あっ…
昴さん帰ってきたんだ…



あたしは料理する手を止めて
玄関に向かった。



「昴さん!!
おかえりなさい!!」



あたしが笑顔で言うと



「おおっ、奈菜か。
ただいま。
なんやええ匂いするやん」



「へへっ、夕飯作ったの」



「えっ、そうなん!?
なんや悪いなぁ…」



「いいのいいのっ
居候させてもらってる身だし
家のことだけは
あたしにやらせて?」



「そうか?
ほな任せちゃおうかな」



「うんっ」



「ありがとな。
好きなだけ居れや」



「ありがとう」



「それより
めっちゃええ香り
漂ってくるやないか〜」



そう言って昴さんは
リビングに入っていった。