目が覚めたら
目の前に
泣いている奈菜の顔があった。



すごく



すごく



悲しそうな
寂しそうな



そんな顔をして。



俺は迷わず
抱き締めようとした。



でも奈菜は
俺を押し離して
走っていった。



「奈菜!!」



と呼んだ俺の声に
奈菜は振り返りもしなかった。