「はぁ…」

「まぁたユウナは溜息ついて!幸せ逃げるよ!!」

「これ以上逃げる幸せなんてないもん」


これはちょっとだけ本音。

この世には、私以上にもっと面倒なことに巻き込まれたり、もっと不幸な目に合っている人がいる。

そう分かってはいるけど、でも、学校という閉鎖的な空間にいて、親しい友達がアキ一人しかいない私にとって、毎日繰り返される笹森の告白がいつ私たちの関係を壊すのかと、そう思うだけで頭が痛くなる。


「はぁ…」

今度は心の中で溜息をひとつ。



アキ。
お願いだから、私を見捨てないで。




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