「あの…岩瀬…」

「君はやめろ、奏でいい」

「あのね、私跳び箱できないんだけど…」

「知ってる」

え…何で…

奏は私の顔を見るなり笑った

「お前の顔見りゃわかるよ」

奏は私の髪をクシャクシャと撫でた

けなされてるのか冗談なのかよくわからなかった

「とりあえずこっち来い」

奏の近くまで行くと奏は私の腕を掴み引っ張った

私の体は奏の体の中に入った

「手はこう…」

後ろから私の両腕を掴みやらせた

「それで、思いっきり腕に体重乗せるの」

奏が言ったとたん私の体はフワッと上に上がった

「きゃ…何!?降ろして」

「ダーメ降ろさない」

奏はまるで言うことを聞かない子供のように言った