前にしゃがんだ敦くんが私の顔を覗き込む。


「また・・・なんで泣いてんの?」


敦くんの手が私の頬に触れたとき、何かが切れた。



「やだっ・・・・一緒に居たいよ・・・」



目に溜まった涙と一緒に溢れた言葉に敦くんは目を見開いた。



何も言わないまま私を見つめる敦くん。



少しして、小さなため息を吐いた敦くんは私の隣に座り、ゆっくり肩に手が回って、抱きしめられた。



「俺・・・・・無理だよ・・・」



小さく呟いた言葉は行動とは逆で、混乱する頭。




一緒に居たい・・・って言ったことに対して無理・・・?



でも抱きしめてくれてる。



不思議に思って少し体を離すと、困った顔してまたため息を吐いた敦くんと目が合った。




そのまま、ぐっと引き寄せられて、唇がくっついた。




大人のキス。



慣れてない私は必死に答えるしかなくて



何度も何度も触れる柔らかい唇に、めまいがする。



体の中が熱くなってきて、何も考えられないよ。





ゆっくり離れた唇。





そのまま強く抱きしめられた。