「あ、俺、藤森敦!よろしくっ」
猫毛メガネくんはにっこり笑いながら手を差し出す。
「あ・・・森村早紀です・・・宜しくお願いします。」
握手・・・することなんて普段そんなにないもんな。
ぎゅっと握られた手。
大きくて、あったかくて・・
男の人と触れ合うなんてどれぐらいぶりだろう
・・・・・
「俺!俺!中村徹也!てっちゃんね。てっちゃん。よろしくー。」
短髪くんが割って入ってこようとしてるけど、いつまでも猫毛メガネくんに握られたままの手。
「あ・・あの・・・」
私が声を掛けると。
「いや、、、かわいいなぁって思って。」
「へ?」
ボンって音がするんじゃないかって思うぐらい顔が赤くなるのがわかる。
かわいいって言った?この人。
そんなこと言われるのも何年ぶりだろうってぐらい久しぶりで。
からかわれてる?
「ちょっとー、俺のこと無視?」
「ダメ、テツには触らせない。」
拗ねたようにそう言うと、猫毛メガネくんは私の右隣に座った。
「なにそれ!ちょっと、まーちゃん席変わって!」
反対の隣にまーちゃんが座ってたんだけど、まーちゃんは少し離れたところでサトシくんと二人の世界。
まーちゃんの荷物をよけると左側に短髪くんが座った。
二人に挟まれた私。
なんだろう・・・
こんなこと久しぶりすぎて、どうしていいかわかんない。
ここで喜んでいいんだろうけど、素直に喜べないのは歳のせいなのかな。
からかわれてる。
ノリで言ってるだけ。
そう思ってしまうんだ。

