【完】俺の守護霊







「しばらく様子見で。薬だしておきますのでそれでもまだ痛いようなら来て下さい」




患者さんの方を見ずに言う。




『無愛想〜。今度は翔の方だといいね!』




あたしは聞こえないだろうけど、患者さんに言った。





「…ありがとうございました!」



だけど。




患者さんはあれだけ冷たい言い方をされたのにニコッって笑いながら頭を下げて出ていく。




何でそんなに笑顔でお礼まで言えるのかあたしには理解できなかった。





「お大事に」






最後に顔を見ながら言った先生。



唯一の優しい言葉かも。



でもさぁ…




『もうちょっと心を込めて言えないの?』





あたしが患者だったらこんな医者嫌だな〜…





やっぱ自分は弱ってる訳だから、優しい言葉をかけてくれる翔に見てもらいたい!







…まぁ、あたしがここで何を言っても無駄なんだけど。