【完】俺の守護霊






「昨日から腹痛ですか」




診察室の中ではカルテを見ていた先生が患者さんに目を向けた。





「はい、お腹が痛くて…」





患者さんはお腹に手を当てたまま言う。





この先生…顔立ちとかかっこいいけど、なんか翔みたいな優しさが感じられないんだよなー。




冷たい雰囲気が身体中から出てるもん。




患者さんを横のベットに寝かせ、お腹を少し触った後、聴診器を当てていく。





『ちょっと何か喋ったりしないわけ?』




思わず口から出た言葉。




『翔だったらどこら辺が痛いですかー?とか、大丈夫ですかー?って優しく聞くのにさっ』





さっきからそう。


優しい言葉どころか、あんまり患者さんと話そうとしない。




その先生は聴診器を当ておわると席に座ってカルテに書き込み始めた。




患者さんもベッドから起き上がり立ち上がる。