【完】俺の守護霊








少し遠くから翔の様子を観察する。





翔は立ち上がって看護師さんに何か言った後、ボールを男の子に渡して歩きだした。






そして、辺りをキョロキョロしながらさっきあたしがつかんだ腕を持っている。





…もしかして、あたしが引っ張った事に気付いてくれる?





声を掛けたら気付いてくれるような気がした。




誰に試しても無視されたけど、今回はちょっと期待しながら、ダメ元で声をかけてみた。






気付かれなくても自分が平気でいられるように明るい声を出して。





翔の後ろを少し距離をとって歩きながら、声をかけるタイミングを伺って。





ここは…やっぱり人気の少ない所で声を掛けた方がいいよね?





そう思って、階段で翔1人になった時に周りを確認してから声を掛けてみた。