「取り出しな?」
『え?いいの!?って何で?』
慌てながらも袋を逆さまにする美緒。
美緒の手のひらのなかに落ちてきたのはネックレス。
「やっぱお菓子の方が良かった?」
ネックレスを眺めている美緒に、俺は聞く。
『ううん!ありがと…でも、いいの…?』
いいのって…
美緒の為に似合うと思って買ったんだし。
「美緒、お菓子食べても味分かんないだろ?
なら、形に残るものの方がいいかと思って」
俺が選んだのは小さい薄いピンクで出来たクロスのネックレス。
キラキラして、ピンクで、明るい美緒にピッタリかと思って。



