「…欲しい時は何て言うんだったっけ?」 『トリック オア トリート!』 そう言いながら俺に手を差し出してくる。 どんだけお菓子が欲しいんだ。 そう思い笑いつつも、差し出した美緒の手のひらの上に、俺は鞄から取り出した小さな袋を乗せた。 『何?』 不思議そうにその袋を見つめる美緒。 「開けてみな」 美緒はゆっくりと袋を開けて中を覗く。 …出せばいいのに。 そして、美緒は袋の中身を確認すると 目を大きく見開いて俺の顔を見た。