【完】俺の守護霊








『おっ、帰ってきた』






ナースステーションの中にある医師たちがいる部屋に入ると、椅子に座ってくつろいでいた美緒が俺に目を向けた。







美緒の向かい側に座っていた真山先生も俺を見る。






今まで診察以外の殆どの時間をあの真山先生専用部屋で過ごしていた真山先生。







だけど、最近は美緒に引っ張られつつここに来るようになった。







美緒もかなり真山先生に懐いてるしな。







『ボール渡せた?』






「渡した。大喜び」







『そっか』






美緒は笑って真山先生が書いている書類へと視線を向けた。








「もう帰るだろ?」






書類を書きながら俺に聞く真山先生。






「あー…はい。患者のデータも午前中に終わったので」






『じゃ、帰ろっか。バイバイ、真山先生』






立ち上がってロッカー室へと歩いていく美緒。






俺は真山先生に挨拶をして、その後ろをゆっくり歩いた。