「いいか。一応入り口のドアは鍵かかってないからそこから入れ。しっかり看病しろよ」
そう言うと真山先生は後部座席のドアを閉め、運転席に座り車を発進させた。
…何なの。
あたしは先生の車が見えなくなるまでその場に立っていた後、暗くなって灯りがついたマンションを見上げた。
…もう行くしかない。
看病すればいいんだよね。
翔が元気になったらまた真山先生の所へ行けばいいし。
わざわざ歩くの面倒だし。
あたしは翔の玄関の前まで浮いて行った。
ガチャ…
『本当に開いてるし…』
ゆっくりとドアを開け、中に入る。
久しぶりの翔の家。
ゆっくりと廊下を進んで翔の寝室へ行く。
…まだ翔にはあたしは見えないんだよね。
あたしは寝室のドアを開け、ゆっくり入った…



