【完】俺の守護霊










しばらくすると真山先生は戻って来て、運転席のドアではなくあたしの座っている後部座席のドアを開けた。






「帰れ」






「はぁ?何で」





「あいつ、高熱なんだぞ?あの様子じゃしばらく動けないだろう。お前が看病してやれ」







真山先生はあたしの腕を引っ張って車から引きずり下ろそうとする。






「やだ!これじゃあたしが消えた意味ないじゃん!」






あたしは車の中でしがみついて必死に抵抗する。







病気になってる翔の事はすっごく気になるけど…







ここで戻ったらあたしの1週間は何だったの?って感じじゃん。







「はぁー…お前の望み通りもう探さないから帰れ。本当はお前も戻りたいんだろうが」







「…翔は戻って欲しくないって思ってるよ。あたしがうろちょろして迷惑そうだったしさ」







元の生活に戻りたいってボソって言ってたもん。







「それは知らん。直接川島に聞け。とにかく今は帰って看病しろ。…それとも仲間にするつもりか?」







仲間って…翔も幽霊にって意味?






それは絶対ダメっ!







うぅ〜〜







ちょっと力を緩めたすきに真山先生に引っ張られてフラフラと車の外に出されたあたし。