【完】俺の守護霊






「翔先生ごめんね?俺がちゃんと見ないで投げたから…」



透も心配そうな顔で俺を見上げる。


俺が油断したのが悪かったのに。


「怪我してないから大丈夫だって!」


そう言って透の頭を撫でる。



「でも先生、あの避け方すごかったね!違う方向向いてたのに…」

「まぁな。じゃ、俺午後からの診察あるから。もう部屋に戻れよ?」


そう透に告げ、ボールを拾って渡すと俺はまた午後からの診察をするために診察室へと向かった。



向かう途中でさっきの透の言葉を思い出す。


〈あの避け方すごかったね!全然違う方向向いてたのに…〉



確かに透の言う通り、俺は完全に呼ばれた方向…平井さんを見ていた。


ボールが飛んでくるのにも全く気付かなかった。