ドサッ…
訳が分からないまま、いきなり掴まれて引っ張られた為、バランスを崩し芝生の上にしりもちを付いた。
痛ぇ…
腰に痛みを感じながら、咄嗟に顔を上げるとその前をボールが凄い勢いで通って行った…。
俺がさっきまで立っていた頭の位置を。
あ…これか。
「翔先生!ごめんっ!大丈夫?」
「すみませんっ!私が呼んだから…」
ようやく自分で状況が理解出来た時。
透とさっき俺を呼んだ看護師、平井さんが慌てて駆け寄って来た。
「あっ…大丈夫です。怪我もないですし」
俺は痛む腰を押さえながら立ち上がる。
まだ心配そうな顔で俺を見る平井さん。



